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■■■◆■ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 2017.07.31
■◆■■ 2017年 メールマガジン
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◆■ 実例に見る 〜決断〜 事業の廃業・再生。承継!
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◆ 事業主はいかに苦悩の決断をしたか
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◆ 【第1回】 毎週月曜日配信
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■──────────────────── S.K.I.ビジネスパートナーズ
◆
前回のメールマガジンで、債務超過・赤字の企業の事業承継について取り上
げましたが、その決断そのものが最も難しいというご意見が寄せられました。
実例が知りたいというご要望が多くよせられましたので、私が体験した実例
をお知らせすることで、参考になればと考え、紹介させていただきます。
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┗■ 事例1.東京近郊で酒屋さんを営む中村さん親子(仮名)の実例
相談内容はシンプルでした。
赤字続きの酒屋です。廃業すべきと判断していますが、一緒にやっている母
がかたくなに反対しています。借金は4000万程残っていますが、所有し
ている店舗兼住居を売却すれば、少なく見積もって8000万になります。
これを売却して母は私の家族と一緒に暮らせばいいと考えています。母はも
う年金受給年齢です。
不動産を売却して残ったお金と年金で十分暮らしていけるのですが。
かいつまんで言えばこういった内容です。
赤字続きでも事業主が事業を継続したいというのはよくある話です。長年営
んできた家業ですから、その心情はよく解ります。しかし赤字を継続してい
けば、どんどん破たんが近づいてきます。そこに気が付いて貰うことがまず
必要です。
売却して悠々と老後を過ごせばいい。物理的には問題のない案件です。また
その方法以外ないとも感じました。紹介者からは、あらゆる人や不動産会社
に相談したが、誰が説得しても売却の話には耳を傾けてくれないとのことで
す。
面談の日がやってきました。相談に訪れた中村さん(女性・仮名)は70歳
を過ぎた実直そうな方です。お嬢さんに付き添われて入室してくるお姿は、
いかにも憔悴しています。 これは重症だな。私の正直な第一印象です。
ひととおり、相談内容を確認することから始めました。言葉少ない中村さん
に代わって殆どはお嬢さんが受け答えます。ご自宅兼店舗が、当時の私の自
宅から3駅ほど都心よりにあり、「ああ・・○○台ですか。」と何気なく中
村さんに言葉をかけました。
「お近くですか?」初めて中村さんから言葉が出ました。
ここが意思疎通の入り口と感じた私は、○○台のどこらへんですか?と続け
ました。
「あのガソリンスタンドを左に曲がったあたりですか?」「そうです。そう
です。」
「それなら、私も利用させて貰った事があるかもしれない。」中村さんはな
にも言わずに微笑みました。「いつごろからやってらっしゃるのですか?」
「昭和40年に先祖代々の土地に店を作って、亡くなった主人とあそこで酒
屋を始めたんです。それまで主人は別の酒屋さんで働いていました。」昭和
40年といえば、東京オリンピックの次の年です。高度成長時代のまっただ
中、3丁目の夕日の時代が終わり、大人たちは忙しくも充実した経済活動に
励み、経済的な豊かさが幸福に直結していると信じていましたし、これから
もそうだろうと考えていた時代です。
「そうですか。あの時代は懐かしいですね。その年からご夫婦で酒屋さんを
始めたんだ。」中村さんは微笑んでいます。「あのころ、配達はリヤカーで
したかミゼット(三輪自動車)でしたか?」どうでもいいことですが、中村
さんのお気持ちはすっかりタイムスリップしているようです。お嬢さんはリ
ヤカーもミゼットも解らずに唖然としています。「そうか。亡くなられた社
長と一緒にお店を発展させたんだなー。」「新興住宅地ですから年々売りあ
げが増え、従業員も雇い始めました。」中村さんはご主人と一緒に働いてい
た姿を思い出しているようです。すっかり表情が穏やかになっています。
町の酒屋さんが苦しいのは、町に酒屋さんが無くなってきている事実がそれ
を証明しています。自家用車が普及し、お酒・ビールは配達からお店での購
買に消費者行動が変わりました。そこに規制緩和が進み、スーパーやディス
カウントストアにお客様が奪われました。コンビニなどに転業するか、廃業
するお店が大半になっています。赤字転落を挽回するのは大変難しい業種で
す。
第2回に続く
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