まえがき
第1章 Xデーがきた − 苦汁の決断
- 水田部品工業の一番長い日
眠れない日が続いた末に - 「赤字企業(事業)」でもM&Aは可能なのか
M&Aの本質とは何か/赤字の状況をM&Aで一気に解消しよう/お金で買えないものが買える/鍵になるタイミング - 企業の成長と衰退の波
日本の経済成長と企業の成長/攻めに強い経営者ほど守りに弱い/銀行はいつまでも貸してくれるものと思っていた/二代目の冷静な視点
- M&Aの形態(株式譲渡と事業譲渡)
第2章 倒産危機から再生への歩み
- 経営者家族との出会い
日本経済の再生への歩み/失敗者だからこそ再生を語れる/相談者の心が開くのを待つ/借金の返済さえなければ - 思い切って相談することで目の前が開ける
借金の総額も金利の額を知らなかった/一冊のビジネス書が教えてくれた/大企業が救われるならうちだって - 銀行交渉
外見のイメージから演出する/金融の知識を学ぶことがポイント/金融機関なのか、金貸しなのか - サービサーとの対決
嬉しい悩みの発生/最後の切り札「特定調停」/優しかった調停委員
- M&Aに至るさまざまな道筋
第3章 経営者の孤独 ―― 口の固い者がM&Aを制する
- コペルニクス的発想の転換
震災後の業界の激変/お客様に迷惑をかけない方法を - スケジュール作成、情報の一元管理
孤独なボクサーとセコンド/同族経営者の場合/「口の固い者がM&Aを制する」
ステークホルダーとの交渉は外堀から/売却先を決める ―― シナジーが見込める相手は?
有望な買い手先へのアプローチ/「すべてはM&A後のために」
- スケジュールとアクションプラン
第4章 売り手と買い手、それぞれの鉄則
- 買い手の「尊大さ」がM&Aを失敗させる
自社の課題を補うM&A/買い手の「上から目線」は破談のもと
「事業を引き継がせていただく」という姿勢/小さくても安定した経営へ - ステークホルダーとの目線を合わせる
それぞれの交渉が密接に関係/相手と目線を合わせる - 最終段階、売買金額の決定
売り手企業のスタンス/価格決定とデューデリジェンス/契約書に見えるM&Aの本質
- 買い手から見るM&A
第5章 社員たちのM&A
- 社員たちに納得してもらうための準備
引き際の大切さ/M&Aは人、物、金の順番で難しい/情報コントロール
経営者は自分の言葉で話すこと - 社員たちとの面接
有給休暇は?退職金は?/身内への説得/移籍対象者の面接/最後の決断
経営者の最後の使命
- 「M&Aでは人がもっとも難しい」
第6章 「私的再生」という出口戦略
- 債務の対処方法
私的整理と私的再生/私的再生のための条件/金融機関による債権管理ポリシー - 真の再生を目指すために
最後のハードル/債務を劣後にする方法/金融機関も戸惑いつつも前向きに
あとがき その後の水田部品工業