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■■■◆■ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 2013.08.06
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■■■ 新たな時代の事業再生実務『中小企業のM&Aとは』
◆■ 【Vol.2】
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■──────────────────── S.K.I.ビジネスパートナーズ
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参議院選挙は与党の圧勝に終わりました。
これで内閣は、様々な改革に着手しやすくなったといえます。
中小企業対策がどのように変化するか、注目していきましょう。
アベノミクスの経済政策から読み解くと、このメルマガ一号でもお話ししま
したが、赤字の中小企業には転業・廃業を促してくると思われます。皆さん
はどうお考えでしょうか。
さて前回のメルマガ1号では、債務超過の中小企業にとって、M&Aは目的
ではなく手段だとお話ししました。
M&Aを実行した後にどういった内容で、どういった形で事業と企業が残っ
ていくのかが重要です。それについて、M&Aを立案し実行するまでを時系
列で追いながらお話ししていきましょう。
〜中小企業の社長がM&Aを意識する時〜
[1]破たんの危機:赤字続きで資金繰りに窮した時、社長は「倒産」の二文
字を意識せざるを得ません。勿論、リスケジュールやリストラなど損益、資
金繰りを良化させることを第一にするでしょう。しかし、今の内容で事業を
進めていくと時間の問題で破たんしてしまう。そんな時、事業を引き継いで
くれるところはないだろうか?具体的にM&Aという戦術を検討する訳では
なくとも、救済してくれるところはないかと思いめぐらせるものです。M&
Aの大半(件数ベース)は「救済型」と言われる所以です。
[2]右肩下がりの業績:赤字続きとまでいかないものの、業界全体が不況業
種となり、先々業績回復のめどがたたない。このままでは破たんが現実的な
ものとなる。どこか当社の事業を引き継いでくれるところはないか?[1]の
破たんの危機の前段階ともいえます。
[3]事業継承:社長もかなり高齢となったが、事業を引き継ぐ人材がいない。
またはいないと思われる。このまま終息させるにはいかにも惜しい。
[4]事業再編:複数の事業を営んでいる企業が、事業の再編(コア事業への
集中、新事業への集中)の為、他の事業を売却して資金または経営資源を獲
得していく方法としてのM&A。
※[3]と[4]に関しては、これは今までお話ししてきた、債務超過・赤字とい
う状態からのM&Aではありません。事業を承継や再編していくためのM&
Aであり、相談窓口も多く、参考となる出版物もたくさん出ていますので、
そちらを参考にしてください。
売り手がM&Aを意識する理由は、これらの変形、または複合的理由による
ものが大半と思われます。
それでは、M&Aを現実に実行していく時の課題についてお話しましょう。
〜情報管理が生命線〜
「情報管理と言われても、そんな大げさな事今まで考えたことがありません」
M&Aのご相談の最初に情報管理の重要性をお話ししても、こういった反応
が多いものです。
とはいえ、残念ながら世の中は『人の不幸は蜜の味』。M&Aを「身売り」
と同義に解釈している方もいますから、噂話の材料として恰好の標的になる
場合があります。
うまくいくはずのM&Aも情報がもれ、従業員や取引先から不必要な干渉が
入り込み、実現できなくなる事があるものです。それではどうような事に留
意していけば良いのでしょうか?
〜M&Aはトップの課題〜
売り手にとってM&Aは、事業主またはそれに準じた方の専任テーマです。
スタッフが考える事でもなければ、事業主がスタッフに判断を求めることで
もありません。
ですから、M&Aを公表する日まで、必要最低限の人間で検討を重ね、進行
させていくことが重要です。計画を知る人が増えれば増えるほど、情報の漏
えいは危険性を増していきます。
一番のポイントは、買い手候補の企業に情報を伝達する時です。買い手候補
にアプローチする際は、トップまたはそれに準じた方「だけ」に話すことで
す。一般スタッフに話すことではありません。
まず守秘義務契約を締結することは勿論、両者の為にいかに情報管理が重要
かお互いに確認するべきです。情報の管理に失敗して、実現できるはずのM
&Aがとん挫してしまう最初の要因がこの「情報の漏えい」です。
〜外部の人材は必要か・どんな名医でも自分の腹は切れない〜
M&Aについては様々な人達が関連書籍を出版し、情報を発信しています。
こうしてメルマガを発行している私自身もその一人です。そのプレーヤーは
弁護士・会計士・金融機関・コンサルタントなどが主たるところでしょう。
勿論職種により得手不得手があります。
では、債務超過の中小企業がM&Aを計画した時、誰に相談すべきでしょう
か?
それは職種で選ぶよりも、中小企業が事業再生の為に「手段としてM&Aを
立案」していることをよく理解してもらえることがポイントです。
M&Aをサポートする外部の人間は、やもすれば、M&Aすることが目的に
なってしまい、社長が想定している「M&Aの後」についてが、二の次にな
ってしまうことがあります。M&Aを成功させることで成功報酬を受け取る
ことが目的となってしまうからです。
不動産の売却と比較してみてください。売却を担う人達は当然売却をするこ
とが目的です。売却後については関知していないのが一般的です。
しかしM&Aでは、その内容やタイミングについて適切な判断をして、場合
によって今はM&Aすべきでないとアドバイスすること(できること)も非
常に重要です。また成功に固執するアドバイザーは、その価格についても、
成功報酬は売却価格に一定の比率を掛けて算出することが多いことから、最
高値で売却することだけに注目しがちです。
一般的なM&Aでは、最高値をつけた相手に売却することがまずは優先され
る選択肢ですが、事業再生を目的としたM&Aでは、ビッグディールよりグ
ッドディール(大きい取引よりも、良い取引)が大切です。つまり、従業員
始め利害関係人にとってより良い内容であることが、事業再生の為のM&A
にとって重要なのです。
また、「外部の人間を使わずにできないか?」と考える方もいるようですが、
多くのケースで、冷静でより客観的な観点から、専門的な知識と経験を持っ
たアドバイザーなりエージェントを置くことで、相手との交渉もやり易くな
るものです。どんな名医でも自分の腹は切れないのですから。
次号では誰に売るのか?どうやって売るのかなど、実例を交えてお話してい
きましょう。
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