新たな時代の事業再生実務『中小企業のM&Aとは』|メールマガジンバックナンバー第6号|S.K.I.ビジネスパートナーズ

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 新たな時代の事業再生実務『中小企業のM&Aとは』 【Vol.6】 

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■■■  新たな時代の事業再生実務『中小企業のM&Aとは』
◆■                         【Vol.6】

■──────────────────── S.K.I.ビジネスパートナーズ

  紅葉の季節も終わりが近くなり、街は本格的にクリスマスムードに包まれ始
  めました。
  LEDのおかげでいたるところでイルミネーションを見ることができますが、
  11月中ごろから点灯されると、早すぎて気分がでないな・・・と感じるのは
  私だけでしょうか?
  さて第六号ではM&Aの買い手探しについてお話しするつもりでしたが、そ
  の前にM&Aを妨げるものについてお話ししましょう。
 
  失敗するM&A・成功するM&A
  買い手の『尊大な態度(上から目線)』は破談のもと
 
  中小企業のM&Aは救済的なM&Aが殆どで・・・という表現がよく使われ
  ます。
  この「救済的」という言葉が、M&Aの現場では勘違いの始まりです。
  確かに窮地に陥った中小企業の事業を買収し、その継続と雇用を守るという
  点では、買い手は傍目には「助けに来た白馬の騎士」と映ります。しかし買
  い手が自社のメリットや売上、利益の増大を目論んでいないM&Aなど殆ど
  ありません。もし経営者が人助けのあまり、売り上げも損益も収支さえも悪
  化するような経営行為をするならば、それ自体大きな問題です。冷徹な経済
  合理性から判断している以上、それは純粋に「Win-Win」を目指す商行為。
  騎士ではあっても、闘っているのは自分のためなのです。
  救済的という言葉に買い手経営者が『助けてやっている』という誤解を持つ
  と、往々にして『尊大な態度(上から目線)』に繋がります。この状態でM
  &Aの打診を始めても、売り手と買い手に齟齬が生じ、プロジェクトになら
  ずに終わってしまいます。
  数年前にこんなことがありました。
  あるIT企業の収益が悪化し、取引企業にM&Aを持ちかけました。
  買い手候補の企業はここ数年業績が好調で、同業者を買収することで新たな
  顧客を得ることができると判断した社長は大変乗り気とのことです。
  要求された資料などを提出し、いよいよ社長同士の面談となりました。
  私はコンサルタントとして売り手の社長から同席を求められ、最寄駅で待ち
  合わせてから買い手候補の企業をお邪魔しました。案内されたのは社長室で
  す。買い手企業の窓口となっている営業部長も同席して話し合いが始まりま
  した。
  ところが、挨拶が済んで我々二人と営業部長が社長席前の応接セットに座っ
  ても、社長は自分の席にでんと構え、応接セットに座ろうとしません。まる
  で部下の報告を聞くような姿勢です。言葉を発する前からいやな感覚を覚え
  ました。
  案の定、社長は『尊大な態度(上から目線)』で売り手の社長に話しかけた
  のです。
  『買ってあげるんだから、こちらの条件は飲んでもらわないと困るよ』
  この第一声に、売り手の社長は言葉を失ってしまいました。仲介者の面子も
  ありましたからしばらくは話を聞いてはいましたが、私たち二人はいつ席を
  立とうかばかり考えていました。もはやどのように面談を終え、帰路につい
  たのか記憶が定かではありませんが、売却先として候補にならないことは、
  相談する以前の問題でした。
  まるで嫁に出す娘について、もらってやるのだから・・・・と言われたと同
  然です。
  このような買い手の態度では、条件と係りなくまずは話が進みません。買い
  手候補の企業は、新たな顧客獲得のチャンスをみすみす逃す結果になったの
  です。
 
  逆に東北でM&Aが見事に成功したケースでは、全く違った経験をしました。
  譲渡金額自体は僅かでしたが、買い手企業の社長が、売り手企業の社長・従
  業員に示した態度には敬服するものがありました。経営者同士、事業を手放
  すことがどのようなものか、その痛みを本当に理解し、常に『引き継がせて
  いただく』という姿勢が感じられました。
  実はこのケースでは、ある難問がありました。移籍する従業員の給与の方が、
  買い手企業の給与体系よりも現状でやや高かったのです。
  僅かな差といえ、給与は経営者―従業員間の最も敏感な問題であり、信頼の
  証です。買い手企業の従前の従業員の皆さんの給与とのバランスを考えて、
  コンサルタントとして如何に提案するかに苦慮しました。
  そこで、難しいことは承知の上で、当面『社中社』を作っていただけないか
  と提案させてもらったのです。買い手企業の中に形式的に別会社(別法人で
  はなく便宜的に)を設置して、旧社の従業員にはそこに移籍してもらいます。
  こうして当面は移籍する従業員の給与を変えず、段階的に従前の従業員の給
  与体系との融合を図る方法です。
  この方法はM&A後に課題を引き継ぐことになりますから、買い手企業にと
  ってはあまり有難くない方法かもしれません。しかしここでも買い手企業の
  社長は、フロアー内に移籍する従業員専用の部屋を設け、働きやすくすると
  いう器の大きな気遣いを見せてくれました。
 
  M&Aの買い手に重要なのは、売り手に対してのこの『おもんぱかり』です。
  大切に育てた事業を引き継ぐことの意味を良く考えて、その態度で示してい
  ただきたいと思います。それがM&A成功の道なのですから。
 
  かたや売り手の『過剰な思い入れ』がM&Aの成約を難しくするケースもあ
  ります。
  これについては次号でお伝えしましょう。
 
 

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