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■■■◆■ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 2013.10.24
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■■■ 新たな時代の事業再生実務『中小企業のM&Aとは』
◆■ 【Vol.5】
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■──────────────────── S.K.I.ビジネスパートナーズ
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「天高く馬肥ゆる秋」とか。台風が多いとはいえ、さわやかな季節になりま
した。毎朝のウォーキングではっきりと季節の移り変わりを感じます。なる
ほど日本は四季の国ではなく、二十四節季の国だと実感しています。冬籠り
ならぬ夏籠りで、スポーツも食べ歩きも封印していましたが書を捨てて活動
開始です。
まずは、さんまの塩焼きと白ワインのシャブリでもやりますか。庶民ですな
〜。<これが意外にあうのです。さんまはおろしに味ポンがよろしいようで。
シャブリは適温に冷やして試してみてください>
成功するM&A,失敗するM&A
さてM&Aのお話しもここからが本番です。
前号でお話しを始めた中小企業が<どうやってM&Aするか>について、詳
しくお話ししていきましょう。もう一度M&Aのスケジュールを見てくださ
い。
〜M&Aの決断 そのプロセスの課題〜
M&Aを意識すると「誰にどう売るか?」「いくらで売るか?」がまずは頭
に上るようですが、M&Aの決断に至るまでこそが最も重要で難関です。な
ぜなら、M&Aの決断から、社内・社外を含め個々人個別の利害関係が出て
くるからです。
企業が財務状況で窮地に陥ると、資金繰りの改善(リスケジュール)・販売
管理費の見直し(リストラ)、仕入れの見直しなどは、社長も含め役員・社
員がともに取り組むことは比較的容易です。(リストラは別ですが)。全社
が同じ方向に向けて動くことができるからです。
しかしM&Aとなると、<はたして自分はどうなるのか>と、とたんに各自
が自分の処遇を気にし始めます。きれいごとでは済まないのですから、当然
の事です。いくつかのパターンがありますのでご紹介しましょう。
[1]親子・兄弟・親戚間の問題
中小企業は家業であることが少なくありません。経営トップが親子兄弟親戚
関係にあることは普通に見られます。父親が会長か社長か、子供が社長か役
員か、様々なケースがありますが、経営の意思決定を親子または兄弟で決定
しているケースは少なくありません。
M&Aの決断に於いては、創業者であるか否かは別にして、跡継ぎに家業を
発展させて引き継ぎたいという願いと、M&Aで事業を切り離してしまうと
いう実務は真逆です。どんなにM&Aが妥当な判断と解っていても、きわめ
て難しい判断です。さらに株主または経営陣に親戚の方が入ってくると、事
情は余計に複雑になります。
例えば、社長はこれを期に一線から退き、息子に経営を引き継ぐ、叔父の専
務は引退すると計画を立てても、はたして叔父の専務が賛成するか否かなど、
M&Aを進めるリーダー役はどこから説得していくか充分な配慮が不可欠で
す。また、親子間で意見の相違があることもよくあります。沈着冷静客観的
に事業とその環境を判断する息子に対して、なんとか事業の継続を望む父と
いうのが殆どの傾向です。
経営にタッチする親子・兄弟・親戚間での冷静な話し合いは不可欠ですね。
[2]経営陣の意思決定
自分の処遇が気になるのは、社員だけではなく経営幹部も同じです。以前弊
社にご相談にみえて、M&Aが実行できずに数か月後に破産手続きに移行せ
ざるえなかった実例でこんなことがありました。
東南アジアから雑貨を輸入し、直営5店舗ほか同業他社にも卸しをしている
輸入業の会社です。2店舗は黒字ですが、3店舗は赤字経営でした。さほど大
きくない月間の赤字でしたが継続していくうちに、手元の資金もあとわずか
です。銀行のリスケジュールは1年以上前から行っており、リストラも限界
です。生き残れる方法として赤字店舗の閉鎖、黒字3店舗は同業者または従
業員にM&Aし、卸し業に特化していく計画を社長と私で練り始めました。
当初は赤字店舗の閉鎖だけで乗り切る計画から入りましたが、中途半端な内
容になってしまいます。思い切って輸入・卸しに特化していく方向を判断し
ました。それにより売上は落ちるものの、それまでの実績からこの3店舗へ
の卸しと、今まで卸してきた同業者への売上は確保でき、人件費の大幅な圧
縮から黒字経営に転化し、事業が継続できそうです。
実行に向けて行動を開始したのですが、買い付け担当の部長、各店舗の店長
に情報が洩れてしまいました。というより、今までの流れからM&Aの計画
を構想段階から社長が幹部に悪気なく話してしまったのです。ここに経理担
当者が加わり、いったい自分はどうなるのかといった不安から、経営幹部が
勝手な行動をとり始めたのです。買い付け担当の部長が同業他社に情報をリ
ークし、その会社と自分で買い取れるよう画策し始めました。同社の経営危
機を取引先に流布し、その会社と組んで同社を倒産に追い込んでいく計画で
す。
M&Aの計画は、リストラされると考えた幹部に潰されるという結果になり
ました。あきらかな情報管理のミスです。社長が激怒しても人の口に戸板は
立てられないの伝えのとおり、あっという間に全社員に伝播しました。それ
からは各社員を巻き込んで、次月の給与や退職金などの不安を煽る者や、い
ち早く次の職業を当たる者などが現れ、社内のガバナンスは崩壊してしまい
ました。
M&Aの推進役にとって、株主・経営陣(同族)・幹部・社員を見渡し、実
行への課題になりそうな立場の人物にいつ、どのような内容で情報を伝達す
るかはとても重要です。
『最も難しいのは身内!』肝に銘じておきたいものです。
次回はM&Aの買い手探しについてお話しましょう
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