生き残れ!金融円滑化法終了後の中小企業の窮地とその対策【メールマガジンバックナンバー第5号】 -S.K.I.ビジネスパートナーズ

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 生き残れ!金融円滑化法終了後の中小企業の窮地とその対策 【Vol.5】

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▼バックナンバー【Vol.1】『金融円滑化法下の中小企業の実態』
▼バックナンバー【Vol.2】『中小企業の金融環境に「合成の誤謬(ごびゅう)」が!』
▼バックナンバー【Vol.3】『疑問に答える!こういった企業はリスケジュールを継続すべき。』
▼バックナンバー【Vol.4】『リスケジュール継続企業―『不安定な安定』の危機管理』
▼バックナンバー【Vol.5】『リスケを継続してはいけない企業』が生き残る方法
▼バックナンバー【Vol.6】「返済ストップ」のための実務
▼バックナンバー【Vol.7】「返済ストップ」のための実務パート[2]
▼バックナンバー【Vol.8】「返済ストップ」からの再生実務パート[1]
▼バックナンバー【Vol.9】<中小企業生き残りの現実的な手段と、出口戦略>
▼バックナンバー【Vol.10】<中小企業生き残りの現実的な手段と、出口戦略>
▼バックナンバー【Vol.11】<中小企業生き残りの現実的な手段と、出口戦略>
▼バックナンバー【Vol.12】<中小企業生き残りの現実的な手段と、出口戦略>



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■■■  生き残れ!金融円滑化法終了後の中小企業の窮地とその対策
◆■                           【Vol.5】

■──────────────────── S.K.I.ビジネスパートナーズ

  まえがき:『金融円滑化法』の終了が来年3月に迫っています。
  同法を利用して元金返済を棚上げしている
  中小企業の借り入れ件数は延べ約300万件。
  同法終了後には倒産企業続出といった見方もありますが、
  果たしてどうなるのでしょう。
 
  日々、中小企業の再生再編の現場で活動している
  事業再生コンサルタント川原愼一とSKIのメンバーが、
  その現実と中小企業の生き残り作戦についてお伝えしていきます。

 

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┗■ 【第5号:『リスケを継続してはいけない企業』が生き残る方法
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 その[1]返済ストップの判断と心構え

 前号までは、金融円滑化法終了後も『リスケジュールを継続すべき企業』に
  ついてお伝えしてきました。
 
  いよいよ今号からは『リスケを継続してはいけない企業』についてお話して
  いこうと思います。
 
  前号では「金融機関に返済するのは『お金』ではない、『返済原資』なんだ」
  と書きました。その企業が生み出すことができた『返済原資』に見合った返
  済をすることこそが、企業が生き残る道なのです。
 
  それでは私達中小企業は、この『返済原資』をどのように生み出しているの
  でしょう。実は『返済原資』には、3種類のタイプがあることをご存じでし
  たか?
 
 
  1、まずは『利益返済』です。
 
  財務が苦手な経営者でも、財務諸表の中の「損益計算書」には興味を持って
  いただけます。まさに1年間の営業の結果ですから、一番気になるのでしょ
  う。(とはいえ、このメルマガは決算書の読み方をレクチャーするものでは
  ありませんので、損益計算書の説明は省きます)
 
  まずは「損益計算書」の中に<営業利益>が出ているかチェックしてくださ
  い。これが最も重要です。
 
  <営業利益>はよく本業の利益を表す数字と言われますが、私はその企業
  (事業)が「存続していいのかどうかを判断する数字」と考えています。
 
  つまり黒字経営できているかを<営業利益>で判断するのです。
  企業(事業)にとって赤字は罪です。黒字経営であってこそお客様に喜んで
  貰え、取引業者さんにも従業員にも喜んでもらえるのです。
 
  次に<経常利益>です。
  これは<営業利益>から金融機関に支払う金利を引いたものである場合が一
  般的です。
 
  この<経常利益>がプラスであれば金利の支払いをしていい企業といえます。
  つまり金利を支払ってもプラスが残る――――取引金融機関にも喜んでもら
  える企業です。
 
  そして最後の<税引き後利益>は、納税したあとに残った利益です。この利
  益が一年間の金融機関への返済よりも多ければ、正に利益で返済できている
  企業と判断され、安定的で健康的な経営ができている企業といえます。
 
  全ての企業が『利益返済』できていれば、こんなにハッピーなことはありま
  せん。
 
 
  2、次に『資金繰り返済』です。
 
  これまでのメルマガで資金繰りの黄金則「人・物・金」のお話をしてきまし
  たが、営業には季節要因もあり、その収支は月次でばらばらです。『利益返
  済』はできないものの、やりくりしながらなんとか金融機関に返済をしてい
  る状態を『資金繰り返済』と言います。これは、黄色信号から赤信号の状態
  です。
 
  この状況の企業は、まさに『リスケを継続してはいけない企業』の可能性が
  高いと言わざるを得ません。資金繰りのやり方にもよりますが、徐々に手持
  ちの資金が減少していっている状態であれば、もっと抜本的な施策を検討す
  べきです。
 
 
  3、最後に『借り入れ返済』です。
 
  これは、借りている資金の元金の返済のみならず金利の支払いも難しい場合、
  資金繰りどころか新たな借り入れをして返済する状態を指しています。これ
  は絶対にやってはいけない返済です。
 
  しかしまじめな経営者ほど、金融機関への返済を絶対に守るべきものとして
  行動しています。資金繰りにパニックした社長さんが金利の二重払い(借り
  ているお金の返済を新たに借りたお金でするのですから)に眼をつぶり、高
  利の融資に走ってしまうのは悲劇的です。
 
  返済ストップの判断は、赤字経営(営業利益段階でマイナス)が続き手持ち
  の資金が減少していく早い段階で決断しなければなりません。もちろん金融
  機関に対しては、誠意を持って説明責任を果たします。事業の規模を小さく
  する(リストラ)、事業の一部(全部)を売却(M&A)する、組織再編す
  る等、黒字に転換していくことを前提に、金融機関に財務状況を公開して説
  明します。
 
  経営者には辛い判断ですが、この決断の時期をずるずる延ばすと、企業(事
  業)は泥沼に入り込んで抜け出すことはできなくなります。
 
  「そんなこといっても、『借りたお金を返さなくてもいいのか?』」
 
  多くの企業経営者から、そう質問されます。まさに素朴な疑問です。そのこ
  とについて、つまり金融機関に返済ストップを説明する心構えについて、お
  話ししましょう。
 
  よく、借りたお金を返さないのはモラルハザードだと言われます。けれど、
  友人・知人から借りたお金を返さないのと、金融機関から調達した資金を返
  済できないのとでは問題のレベルが違うことを知ってください。
 
  それは、借金と資金調達との違いです。
 
  経営者であれば、資金の調達は大切な仕事の一部であり、金利負担を承知で
  銀行を始めとする金融機関から資金を調達してきます。金融機関は企業の財
  務内容や事業内容等を審査してから融資しています。それは慈善事業ではあ
  りません。金利(儲け)を取るのですから、全てはビジネスです。
 
  ビジネスにはリスクは付き物です。全ての貸付が順調に返済されることなど
  ありません。金融事故(債務不履行)は必ずおきます。金融機関はその事故
  率も計算の上で金利を定めていますし、中小企業への貸付は、信用保証協会
  がその返済を保証する契約がほとんどですから、この場合銀行には金融事故
  リスクすらありません。
 
  そう考えると、私たち中小企業の返済が万が一滞っても、それは「モラルハ
  ザード」ではなく「ビジネストラブル」だと言えます。友人知人から借りた
  お金を返さないのはモラルハザードですが、それとは明らかに違うのです。
 
  むしろ『返済原資』が出ない状況で、自社の財務内容に眼をつぶり資金が枯
  渇するまで返済を続けるのは自殺行為です。経営者は絶対にこの道を選んで
  はいけません。取り返しのつかない「自殺」ではなく、あとでリカバリーの
  きく「事故」を選ぶべきなのです。
 
 
  私達が同行して金融機関に伺い、財務・営業状況を説明して返済ストップを
  お話する場合、金融機関の方達は比較的冷静な姿勢で応対していただけます。
  しかし金融機関の立場は、貸し付けた資金は回収することが大原則ですから、
  返済継続の要請は当然あります。以前にも触れましたが、銀行員の皆さんは
  組織人ですから、「回収せよ!」という上司や本部の命令に忠実です。回収
  することが、会社や株主に対する責任なのですから当然です。
 
  では、「返せない」という経営者と「返して」という金融機関が対峙した場
  合どうなるのか。次にどんな事態が待っているのか。
 
  次号からは返済ストップから何が起きるか?どうすれば良いのか?について
  お話ししていきましょう。


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