前略、震災後100日以上が経過し、東日本を含め経済にも回復の兆しが報道されております。
節電、材料・資材の不足、自粛ムードなど直接震災の被害を受けることがなかった企業にも、これらから売り上げ・収入の減少が懸念される反面、時代の変化と共に、起業・変革・躍進・のタイミングも想定されます。
しかし事業計画を勘案・作成するにも、資金計画が伴って初めてその実行が可能となります。そこで従来の金融機関に頼った資金調達ではなく、直接資金の提供者を募る『少人数私募債』をご紹介し、今後の事業展開と新たな資金調達のヒントとして頂くため、今月のセミナーは少人数私募債の実務と実例を中心とさせて頂きます。
草々
記
少人数私募債は決して新しい制度ではありませんが、2000年頃からの銀行の貸し渋りや貸し剥がしが激しくなったことにより注目されるようになりました。
目論見等の発行や管理者(証券・銀行)が不要であり、発行手続きが簡便で募集者主導で発行することが可能というメリットがあります。
しかし、被募集者が、縁故関係が中心であることから、計画が曖昧であったり、義理や人情が介在してしまうことから、本来「投資」である少人数私募債が「貸付」と混同され、市場に浸透するには至っておりません。
そこで、最近注目を集めつつある「クラウドファンディング」の仕組みを理解し、人々の「お金を出す」ことへの意識や目的の変化を見詰め直すことにより、少人数私募債をあり方を考えてみることが必要と考えます。
「クラウドファンディング(Crowd=群集)」とは、募集者のプランや夢などに賛同した人達が、資金を出し合いその実現を支援しようとする仕組みです。但し、金利や配当を期待する「投資」とは異なり、その計画に関わるサ−ビスの提供や商品を購入する権利を得る、いわゆる「寄付型投資」「購買型投資」と言えます。
最近の特に若い人たちの傾向を見ると、物を持つことや消費する満足よりも「つながり」方に満足を求めている傾向があります。「物を共有する(シェア−)」ことによって生まれる人と人のつながりが色々な形を通じて広がってきております。
このような時代の変化、風潮の中で、事業が生み出す夢や構想に魅力を感じ、その成果を一緒に共有したいと思うようなプランを提供できれば、多くの人々が賛同し支援する雰囲気が広まると考えます。
少人数私募債の発行条件は、50人未満の勧誘、1口が発行総額の1/50以上、譲渡制限等僅かな制限に過ぎません。
大切なことは、資金提供をする側はアマチュアであります。事業に対する熱意、目的や意義、あるいは返済の方法などきちんと説明することが、少人数私募債の成功を導くものと考えます。
少人数私募債を発行するに当たって、次のことを明確にプレゼンすることを推奨いたします。